物語思考でマイパーパスをつくる【”キャラ”はパーパスの擬人化】

起業家・エンジェル投資家のけんすうさん著『物語思考 「やりたいこと」が見つからなくて悩む人のキャリア設計術』が話題です。

今回は、けんすうさんが提唱する物語思考とマイパーパスの関係性について考えてみたいと思います。

物語としてのキャリア:けんすう氏の「物語思考」

けんすうさんは著作「物語思考」で、自己を物語の主人公として捉え、理想の姿に向かって進むアプローチこそ先の見えない昨今のキャリア形成に有効だと主張しています。

この考え方では、キャリアは目標から逆算するのではなく、自己の行動と経験を通じて物語が紡がれ、その物語が未来の成果を形成します。

このプロセスは、キャリアを一連の物語として捉え、自己の行動が理想の結果を創造する過程を重視します。これにより、個人は自身のキャリアにおいてより主体的で創造的な役割を果たすことができます。

物語思考に必要な5ステップ

  1. 自分を制限している頭の枷を取る
  2. なりたいキャラクター像を設定する
  3. そのキャラを実際に動かす
  4. そのキャラが活きる環境を作る
  5. そのキャラで「物語を転がす」

自己理解のステップ:「MYパーパス」の探求

「MYパーパス」の探求は、自己の内発的動機(WANT)、社会的責務(MUST)、保有能力(CAN)の三つの観点からの自己分析を含みます。これらの要素を理解し、それらがどのように交わるかを探ることで、自身の真の目的や情熱を見つけることができます。

WANT(内発的動機)

内発的動機は、自分自身の内から湧き出る真の情熱や願望です。これを見つけるためには、自分が何に対して興奮や熱意を感じるかを自問自答することが重要です。趣味、興味、夢など、何が自分を本当に動かすのかを振り返ります。過去の経験や成功体験を分析し、何が自分を幸せにするかを考えます。このステップでは、自分自身の内なる声に耳を傾け、自分の情熱を明らかにすることが目標です。

MUST(社会的責務)

次に、社会的責務、すなわち自分が社会に対して果たすべき役割や責任を考慮します。これには、家族、職場、コミュニティでの期待や責任が含まれます。自分の役割や責任を振り返り、社会的な義務が自己の価値観や目標にどのように影響しているかを考えます。このステップでは、自分が社会にどのように貢献できるか、またその貢献が自己の成長や満足にどのように結びつくかを理解することが重要です。

CAN(保有能力)

最後に、自分が持っている能力やスキル、資質に着目します。これらは、自分が実際に成し遂げることができる事柄です。自分の強みや弱みを正直に評価し、これまでの成果や失敗から学びを得ます。また、どのようなスキルが自己の情熱や社会的な役割をサポートするかを考えます。この段階では、自己の能力を最大限に活かす方法を探求し、それがどのように自己の目標達成に寄与するかを評価します。

これら三つの観点からの自己分析により、個人の情熱、社会的な義務、そして保有能力がどのように相互作用するかが明らかになります。自己の内発的動機、社会的責務、そして能力が交わる点を見つけることで、自分自身にとって本当に価値のある目標や、追求すべきキャリアパスを見極めることができます。

統合されたキャリア戦略:内面の深掘りと価値観の発見

自己の内面を深く掘り下げることは、キャリア戦略において非常に重要です。このプロセスは、自分の感情、価値観、強み、弱みを理解し、それらを活かす方法を探ることから始まります。例えば、日記をつけることは、日々の感情や思考を追跡し、自己理解を深める効果的な方法です。記録を読み返すことで、特定の状況や人々が自分にどのような影響を与えるかを理解できます。

また、自己反省や瞑想の習慣も自己理解を促進します。これらの習慣は、自分の心と直接向き合い、内面の声に耳を傾ける機会を提供します。瞑想中に浮かぶ考えや感情を注意深く観察することで、自分の本当の欲求や恐れ、価値観が明らかになります。

自分の価値観を発見するもう一つの方法は、日常の決断において何が優先されているかを分析することです。例えば、仕事と家族のバランスを取る際の選択、趣味や社交活動への時間配分など、日常の選択は自分の価値観を映し出しています。これらの選択を振り返り、どのような価値がその背景にあるのかを考えることで、自分自身の本質に近づくことができます。

最後に、フィードバックを積極的に求めることも有益です。家族、友人、同僚からのフィードバックは、自分では気づかない長所や短所を明らかにし、自己認識を深めるのに役立ちます。このプロセスを通じて、自分の行動や意思決定に影響を与える深層の価値観や信念を発見し、キャリア戦略に活かすことができます。

このように、自己の内面を深く理解することは、自分のキャリアを意味のある方向に導くために不可欠です。自己探求と価値観の発見を通じて、より充実したキャリアを築くための基盤を作り出すことが可能になります。

まとめ

これらのアプローチは、個人のキャリア形成において重要な洞察を提供し、自己実現のための具体的な道筋を示します。自分自身を深く掘り下げることで、自己のポテンシャルを最大限に活用し、成功への道を切り開くことができるでしょう。